カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
逸希が彼女の珠子さんを差し置いて、私にここまで優しくしてくれる理由は唯一つ、同窓会の夜のコトが尾を引いているんだと思った。


―――――幼なじみの好でここまでしない。



「本当にいいの?」


私は逸希に念を押す。



「オトコがオンナにダイヤモンドをプレゼントする意味。逸希は本当に分かってる?」


「俺はお前と仕事がしたいだけだ。このリングに特別なキモチはない」


「逸希!?」


「じゃ~俺は戻る」


「逸希…」


逸希は私の制止を無視して、執務室を出る。





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