カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
最初から俺を見る高木さんの目はオンナの目だった。


莉那は仕事に遣り甲斐を見い出してバリバリ仕事に打ち込んでいるが。高木さんはそうではなかった。

会社で常に男を探しているような雰囲気。ミスも多く仕事の姿勢にやる気が見えない。

それに、男性社員に媚びた態度を見ていれば判る。彼女にとって仕事は結婚までの腰かけ程度。




「俺は君と付き合うつもりはない」


「植野チーフの何処かいいんですか?」


「何処がいいと訊かれても、君に言うつもりはない」


生まれた時から一緒で、同じ幼少時代を過ごした幼なじみ。

13年間の空白の時間こそあるが。

俺は莉那しか見ていなかった。


俺にもここまで莉那に惹かれる理由が判らない。


――――運命の赤い糸が本当にあるんなら、多分、その運命の赤い糸と言うモノだろう。







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