君と2回目の恋を
「そうか」





どうやら夢華のお母さんが再婚するらしい



それが夢華は受け入れられないのだと言う



なんて言えばいいのかよく分からない


こんな時気がきいた言葉をかけれたらと思う





「しんどかったら俺んとこ、来い」



結局、そう言った




「うん」




ふわっと花が咲くように笑う夢華がとても愛おしかった







「もう夕方だな。暗くなる前に帰るか」


立ち上がった俺にならって、今度は夢華も立ち上がった




「また来ようね」


「おう」




少し笑って手を繋いで歩き出す





砂浜にふたり分の足跡ができる




波打ち際の足跡は、波にさらわれて消えた



夕陽に照らされた海はどこまでも広く


波の音は2人を優しく見送った





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