君と2回目の恋を
「おい、ついたぞ」



疲れていたのか、夢華は帰り道の途中で俺に寄りかかって寝ていた



バイク乗りながら寝るとかどんだけ器用なんだよ




肩を揺すると少し身じろぎをしてノロノロと瞼をあげた




「…ん、寝てた?」




「しっかり寝てたよ


危ねえから今度からは寝るなよ」




言いながら夢華をバイクから降ろしてやる


ふぁい。とほんとに分かっているのか曖昧な返事が返ってきた




ーーーにしても、


「ちっさ。軽。」


「小さいってゆーな!」





途端に不機嫌になった夢華


なかなか身長が伸びないと最近悩んでいるらしい


まぁ俺は今のままでもいいんだけど



「事実を言っただけ」


「蓮くん、からかってるな!いいもん!もー知らない」


「っぷ」



うける。なんだこの可愛い生き物は



くるくる表情が変わる夢華は見ていて飽きない





「はいはい。

悪かったって

これやっから機嫌直せ」




ぽいっと小さな紙袋を放る


「うわ!……落としたらどーするの?


開けていい?」




とか言いながら、返事も待たずに開けてやがる




紙袋を開けたとたん、夢華の目にキラキラした光が宿った




「ピアス!ありがと蓮くん!」


「欲しがってたからな」


きゃっきゃと子供みたいにはしゃぐ夢華


ほんっと単純なやつ




「ありがと蓮くん」




「……おう」



満面の笑みに少し照れたのは内緒だ



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