君と2回目の恋を

夢華side


えぇっと。


ママが言ってた家ってここだよね？




｢でっかい……！｣


家を見て思わずため息が出た



いやいや大きすぎだよママ

一体どこにこんな豪邸を建てるお金があったのか



｢慰謝料ってやつ？｣





私の元パパは、


本当はパパなんて思いたくないんだけど



私たちに暴行を日常的に加えてきた



毎日聞こえてくる怒鳴り声

ママの悲鳴

食器が割れる音



毎日が恐怖だった



自分の部屋で耳を抑えてぎゅっと目を閉じた


朝がきたら絶望して


夜が来ると束の間の平和を送る


そしてまた朝がきて絶望する



監禁なんて当たり前だった



学校なんて行かせてくれなかった




私もママも


少しずつ、だけど確実に

心がすり減って傷が増えて



ボロボロになった



それでもママと2人だったから頑張れた