君と2回目の恋を
でも1度だけママに怒ったことがあった




「なんであんな人と結婚したの?」



恐怖でボロボロになった私はそう叫んだ




どうしてだか、私には優しいパパの記憶がない



いつから暴力を振るわれていたのかすら覚えていない




いつの間にか私は幼い頃の記憶を失った


どんな小学校に通って

どの位友達がいて

どんな生活をして

どんな中学校に入って

どんなことをしたのか



全然思い出せない


思い出そうとしても、その期間だけずっと眠っていたように空っぽなんだ




「ごめんなさい


全部ママが悪かったの」





そう言ってママは私をぎゅっと抱きしめた


ぽっちゃり気味だったはずのママは、ストレスのせいですっかり痩せていた





「こんなこと言ってごめんなさい

ママは何も悪くないよ



悪いのは全部あいつ」





私もママも限界だったんだと思う

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