君と2回目の恋を
監禁されている間、なぜか私はずっとピアスをつけていた



買った覚えも、もらった覚えもない


ただなんとなく外す気にはなれなかった


「ねぇママ。このピアスいつ買ったの?」



ママが買ってくれたんだろうと思ってそう聞いた私に


ママはびっくりしたような顔をして、悲しげな顔になった



「夢ちゃん、覚えてないの?」



ママが私の以前の記憶がない事に気づいたのはこの時




ママに連れられて行った病院に行った



思えばこのとき奇跡的に外に出られてほんとに良かった



そしてお医者さんは言った


「過度のストレスによる記憶障害でしょう。

何かきっかけがあって記憶が戻ることがありますし、戻らないこともあります


……気長に待ちましょう




ところで、こんなになるまでなにを我慢していたんですか?」




パパ……桐のDVがバレたのはこの時



お医者さんの言葉を聞いてそれまで我慢してきた事が溢れたんだと思う



堰をきった様に泣き出した私に、つられてママも泣いてた


ギョッとしたお医者さんは、それでも話を聞いてくれた




そしてお医者さんが警察に通報して、わたし達の地獄は終わった




きっとお医者さんがいなかったら、まだ私たちは苦しんでいただろう


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