君と2回目の恋を
「まーなーちゃーん!」



え、誰?

てか、私以外に校長先生を真奈ちゃんと呼ぶ人がいたとは




どんだけ真奈ちゃんって呼んで欲しいんだ



思わず真奈ちゃんをジトーっと見る




そんな視線を知ってか知らずか、真奈ちゃんはハッとしたように声がした方を振り向く



「佳奈ちゃん……」


へぇ佳奈ちゃんって言うんだ



ーーードキ




え?


何いまの




真奈ちゃんの呟いた名前に反応したように、心臓がはねた



そのまま、バクバクと心臓が駆け出す

ザッと血の気が引いた気がした



なにこれ、どうしちゃったの私





そんな私をよそに佳奈ちゃん?が駆け寄ってきた



「真奈ちゃん!その子が転校生?何組?

女の子だぁ嬉しい♪


よろしくね、あたしはやし……




え、夢華?」






っ!?




「な、んで名前知ってるの?」


まただ、昨日とおんなじ




「なんでって!当たり前でしょう!?

ふざけてないで今までどこにいたの?ちゃんと話してよね」



何言ってんのこの子


初めて会ったのに



なんで名前知ってるの?





なんでそんなに怒った顔してるの?




「ねぇ夢華!ぼさっとしてないでなんか言ってよ」




「佳奈ちゃん、夢華ちゃん

校長室へ来なさい」




真奈ちゃんが今まで聞いたことないような、落ちついた声を発した


佳奈ちゃんがグッと押し黙る



半分パニックになってた私は、ゆっくり呼吸した




佳奈ちゃんって子をそっと見る


そしたらバッチリ目が合ってしまった




「行こ」




何かを押し殺して絞り出したように佳奈ちゃんが言った




ずきんと胸が傷んだ


なんで?なんでこんなに胸が痛いの




なんでそんなに悲しそうなの?






ボケっと立ち止まっていたら、手を引っ張られた



「行こ」


今度はさっきよりも少し柔らか口調で言った




そしてびっくりするぐらい強い力で、手を握った



「お願いだから

もうどこにも行かないで」



そのつぶやきは、誰にも届かず校舎に溶けていった

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