教えてくれたのは、君でした。



「でも、ごめん。不安にさせて」


「わっ、私が勝手に

不安になってただけだから…!」


「愛美ちゃん、これだけは言わせて」


「………?」



そう言って玲くんは

片手でそっと、

正面に座る私の頭を引き寄せて

おでことおでこが

静かにコツンッと合わさった



「俺が好きなのは愛美だけだよ」


「はっ、はいっ…」



いっ、いま呼び捨てで…!


もうどうしよう

頭が爆発しそうなくらい熱い



「愛美さん顔真っ赤でしゅね~」


「いっ、言わないで…!」




玲くん、私も大声で叫びたくなるくらい

私もあなたが大好きです

だからもう、玲くんの過去が

どんなに悲惨で、どんなに凄くても

私は過去なんかに負けない


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