教えてくれたのは、君でした。
「あのとき、床に落ちてた
まなちゃんのペン拾った時にさ
律儀に名前まで書いてて
正直、今時こんな子いるんだな~て
すげー感心したの今でも覚えてる」
「私すぐ物なくしちゃうから…」
「癖、なんだよね?」
「うっ、うんっ…」
「あの名前が書いてるペン見たときにさ
俺思ったんだ
この子は、物を大事にするように
周りの人も大事にする
優しくて純粋な人なんじゃないかって」
そう言って玲くんが
私にふわりと優しく微笑んで
私も彼の笑顔見た瞬間
緊張していた顔がスッーと綻んで
私たちはもう一度
今度は甘くて深い、キスをした