教えてくれたのは、君でした。
「おいっ!成澤!」
「んだよ、邪魔すんなよ~」
私達の元へやってきたのは
沢村くんだった
「お前、なにしてんの」
「玲、この状況見て何にもわかんねーの?
てかまじで空気読めよ~
いい雰囲気だったのによー」
「………離せよ、震えてる」
「は?」
「何にもわかってねーのはお前だよ!
佐倉が震えてるだろーが!」
「沢村くん…っ……」
沢村くんにそう言われて
自分の体が震えていることに
私は初めて気づいた
「行くぞ、佐倉」
「さっ、沢村くん…っ?」
「俺の側から離れるなって言っただろーが」
沢村くんはそう一言
私にだけ聞こえるような小さな声で呟いて
強引に私の手を取り、歩き始めた