教えてくれたのは、君でした。
───放課後
「…よし、できた!」
「さすが愛美、たまに出る几帳面な性格が
いまここで役に立ってるな~」
「なんか誉められてる気しない」
「ばーか、立派に誉めてるっつの」
放課後、月に1回発行する
図書新聞の仕上げ作業を
悠里と二人でやっていた
図書室には私達二人だけ
いつもなら沈黙になっても
気まずく感じたりしないんだけど…
───向こうは違うかもしれないよ
───異性として見てるかもしんねーって事
「…………」
沢村くんが昼間に言っていたことが
何回も頭のなかをよぎって
私は落ち着けずにいた
「ん、愛美?どした?」
「えっ、なにが!?」
「いや、めずらしくボーッとしてるから」