教えてくれたのは、君でした。



「俺、愛美のことずっと前から……」


「はっ、離して…!」


「っ!」



私はちょっと強引に

悠里の腕からすり抜けた

なぜか無性にドキドキして、恥ずかしくて

悠里が悠里じゃなく見えて……



「俺、ずっと前から愛美が好きだった!」


「…………っ」



悠里が、私を好き…?




───向こうは違うかもしれないよ

───愛美ちゃんってさ、本当鈍感すぎ



いまになって痛いくらいに響く

昼間の沢村くんの言葉


いまになって痛いくらいにわかる

悠里も異性だってこと


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