これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
次の瞬間……

俺は彼女を抱きしめていた。俺の腕が彼女の柔らかい体を抱きしめたとき、彼女がハッと息をのんだのがわかる。

それでも俺は、彼女を抱きしめ続けた。

なぜ今こうしてしまったのか……ただこうすることだけが正しいことのように思えた。

何があったのか話をしなくてもいい。

ただ彼女の不安や悲しみが少しでも和らげばいい。

彼女の手が遠慮がちに、俺の背中に回された。

花柄の傘が俺たちを雨と周囲の目から隠してくれた。

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