これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
②花火の下で
七月、最終の週末。地元では大きな花火大会行われる。
我が社もその花火大会に協賛していることから、役員クラス以上は関係者等の席が準備される。
一昨年から「自分だけ楽しんでも仕方ないなぁ~」と宗治が言いだして、一般の社員はクルーザーを貸し切って海の上で花火を見学できるようにした。
社内でも人気のイベントだ。女子社員はこぞって浴衣を身につけ華やかだし、家族連れは普段なかなか一緒に過ごすことのできない子供との時間を楽しんだりしている。
「常務……、協賛席の方へ行かなくてもいいのですか?」
クルーザーに乗り込もうとする宗治はいつもに比べてラフな格好だ。
「どうしてあんなオッサンばっかりの席に座ってないといけないんだよ。俺はこっちで社員の喜ぶ顔が見たい」
すたすたと歩いて行く姿をみて確かにその方がらしいと思う。
軽薄に見えるが、これと思ったものに対しては情が深い。
だからこそ、コイツの傍にいるんだろうな。俺は。
そんな事を考えていると、デッキに二宮さんの姿をみつけた。
宗治はすでに先に歩いてしまっている。俺は柵に手をかけて海を眺めている彼女に声をかけた。
我が社もその花火大会に協賛していることから、役員クラス以上は関係者等の席が準備される。
一昨年から「自分だけ楽しんでも仕方ないなぁ~」と宗治が言いだして、一般の社員はクルーザーを貸し切って海の上で花火を見学できるようにした。
社内でも人気のイベントだ。女子社員はこぞって浴衣を身につけ華やかだし、家族連れは普段なかなか一緒に過ごすことのできない子供との時間を楽しんだりしている。
「常務……、協賛席の方へ行かなくてもいいのですか?」
クルーザーに乗り込もうとする宗治はいつもに比べてラフな格好だ。
「どうしてあんなオッサンばっかりの席に座ってないといけないんだよ。俺はこっちで社員の喜ぶ顔が見たい」
すたすたと歩いて行く姿をみて確かにその方がらしいと思う。
軽薄に見えるが、これと思ったものに対しては情が深い。
だからこそ、コイツの傍にいるんだろうな。俺は。
そんな事を考えていると、デッキに二宮さんの姿をみつけた。
宗治はすでに先に歩いてしまっている。俺は柵に手をかけて海を眺めている彼女に声をかけた。