これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
②再会はオフィスで
子猫が我が家に来てから、ひと月ほどたった。
今となっては、俺に駆け寄ってくる子猫は、疲れを癒してくれる大事な存在になっていた。
猫を抱いているとふとあの彼女を思い出すことがある。
彼女がいなければ、子猫が我が家にくることもなかったのだ。
ただ彼女は俺の人生に少しかすっただけ。ただそれだけだ。
そんなことを考えながら今日も猫の頭を撫でてから、仕事へと向かった。
午前の経営者会議は特に問題なく進んだようだ。専務の葉山宗治はやはりサラブレッドだ。
幼馴染みではあるが、その前には俺の直属のボス。
昔から知っている俺がみても、アイツの持って生まれた天性のものに加えて、努力も惜しまないその姿は尊敬に値する。
これで女癖がよければ言うことないのにな。いつになったらひとりの女性を愛することができるんだアイツは……。