これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
 ふと彼の体が離れた。不安になってそれまでつむっていた目を開ける。

 すると勇矢さんは自分の着ていた服を脱ぎ捨てた。急にあらわになった彼の裸体に戸惑い、急いで視線をそらす。

 明らかに自分とは作りの違う……男の人の体だ。

 あんなに男らしい体をしてたなんて、今まで知らなかった……。

「恵、赤くなって可愛い」

 吐息交じりの熱の籠った声で、私の体を痺れさせた。

 合間で落とされるキスは、激しかったり優しかったり。そのたびに私の体の温度がどんどん上がり、鼓動は加速する。

 どれぐらい、押し寄せては引いて行くような刺激を与えられたのか私がわからなくなったころ……。

 ベッドサイドにあるチェストの引き出しを開けた。

「いい?」

 私に見せたのは、ビニールの正方形の袋だった。その中身くらい私だってわかる。

 なんだか現実を見せつけられたようで急に恥ずかしくなった。

 コクンと小さく頷き、恥ずかしさからそのまま彼と視線を合わさずにいた。

「こっち見て……」

 顎を持たれて視線を絡め取られる。

 熱の籠った視線が私の知らない世界へと誘う。
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