これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】

 熱くて深くて長いキスで、彼は私の唇を捉えて離さない。

「ン……っあ」

 彼の左手が優しく私の指を絡めて、小さな手を握り締めた。

 そして、ゆっくりとひとつになる。

「……っう……」

 激痛というよりも、ミシミシと広げられるような鈍い痛みに思わず声が漏れる。

 この痛みが、彼を受けれている証拠なのだと思えた。

「痛いよな……ごめん」

 薄く開いた瞼から、彼の申し訳なさそうな顔が見えた。

 私は首を左右に振って否定することしかできない。

 確かに痛い。でも幸せな痛み。

 こんな風に痛みが与えられているのに、喜びを同時に感じることがあるなんて今まで思ってもみなかった。

 痛みと喜びが混ざりあった涙が私の頬を一粒伝う。

 彼は自らの舌でそれを拭ってくれる。
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