これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】

「今日はここまでにしておこうか」

 彼が心配そうに、私の様子を伺っていた。

「ダメです。私、これでも幸せなんですよ。こんなに近くに勇矢さんを感じることができて幸せなんです」

 必死で自分の気持ちを伝える。

 涙で張り付いた髪を、優しい指がどかしてくれた。

「よかった……実はもう止められそうになかったんだ」

 彼がぐっと下唇を噛みしめていた。私と違う何かに耐えているのかもしれない。

 それからゆっくりとふたりで溶け合うようにひとつになっていく。

 最後の方の記憶は曖昧だ。今まで知らなかった好きな人と迎えるその世界は、ただ、あったかくて幸せで……そして体の奥から湧き上がるような“愛しい”という感情が溢れているようだった。
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