これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
③始まりと終わりの場所
勇矢さんの誕生日が終わると、季節はめっきり秋へと移った。街路樹も色づき始めて、仕事でお遣いをするときには、カーディガンが手放せなくなっている。
あの日以来、ふたりの仲は紅葉が色づくようにゆっくりと深まっていった。
彼は玉子焼きよりも目玉焼きが好きだということ。
実は、甘いものが好きだということ。
眼鏡をはずすとすごく近くまで寄らないと、何も見えないということ。
私を呼ぶ声や、私に触れる手がものすごく優しいということ。
彼と過ごす時間は私に、安らぎと恋をする喜びを与えてくれた。
仕事も順調で派遣社員とはいえ、今まで社会人経験のなかった私には葉山での仕事は刺激的でやりがいがあった。
一通りの仕事がひとりでできるようになっていた。その中でも相変わらず好きな仕事は受け付け業務だ。
ただ立っているだけではない。来客や会議の予定の把握をしなくてはいけないし取引先の相手は出来るだけ顔と名前を覚えておかなくてはいけない。
それでも、いろいろな部署の人に声の顔を見ることができ、ときには労いの声をかけてもらえる仕事が私は好きだ。
あの日以来、ふたりの仲は紅葉が色づくようにゆっくりと深まっていった。
彼は玉子焼きよりも目玉焼きが好きだということ。
実は、甘いものが好きだということ。
眼鏡をはずすとすごく近くまで寄らないと、何も見えないということ。
私を呼ぶ声や、私に触れる手がものすごく優しいということ。
彼と過ごす時間は私に、安らぎと恋をする喜びを与えてくれた。
仕事も順調で派遣社員とはいえ、今まで社会人経験のなかった私には葉山での仕事は刺激的でやりがいがあった。
一通りの仕事がひとりでできるようになっていた。その中でも相変わらず好きな仕事は受け付け業務だ。
ただ立っているだけではない。来客や会議の予定の把握をしなくてはいけないし取引先の相手は出来るだけ顔と名前を覚えておかなくてはいけない。
それでも、いろいろな部署の人に声の顔を見ることができ、ときには労いの声をかけてもらえる仕事が私は好きだ。