これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「そう言っていただけると、助かります。あとわずかのことですから、それまでよろしくお願いします」
あと、わずか……どういうことだ?
「と、言うのはどういうことでしょうか?」
そこは明確に聞いておかないといけない。
「その様子では、恵は本当に何もお話してないんですね。ご迷惑をおかけするということが、わかってないんですね。兄として謝ります。すみません」
そんな謝罪なんてどうでもいい。早くどういうことか説明してほしい。
俺は何も言わずに、恵の兄の言葉を待った。
「まもなく、恵は綾上の家に戻ることになっております。もともと働かせるつもりなどなかったんですがね、本人がどうしてもとダダをこねるもので。家族はみんな恵に甘いですから」
その表情から、彼女が家族に愛されて育ったことがわかる。だがそんなことよりも、恵が家に戻るという話の方が気になっていた。
「そんな話になっていたんですか……具体的には、いつ頃を考えてらっしゃるんですか?」
自分の動揺を相手にさとられないように、努めて冷静に話をした。
「恵の婚約の話が進んでおりますので、それ次第とはなりますが」
驚いて思わず息をのむ。まさか……そんなことが。
俺の表情を勘違いした様子で、相手は話を続けた。
「いまどき……と驚かれたでしょうね? でも恵も承知している話です。小さなころからそれは決まっていたことですし、婚約をするのを条件に外の世界を経験させたのですから、婚約の話がまとまれば戻ってくるのは当然です」
もともと彼女は別の男性との道を歩くはずだったのだ。恵の兄の話から、今もそれは変わらない事実のようだ。
あと、わずか……どういうことだ?
「と、言うのはどういうことでしょうか?」
そこは明確に聞いておかないといけない。
「その様子では、恵は本当に何もお話してないんですね。ご迷惑をおかけするということが、わかってないんですね。兄として謝ります。すみません」
そんな謝罪なんてどうでもいい。早くどういうことか説明してほしい。
俺は何も言わずに、恵の兄の言葉を待った。
「まもなく、恵は綾上の家に戻ることになっております。もともと働かせるつもりなどなかったんですがね、本人がどうしてもとダダをこねるもので。家族はみんな恵に甘いですから」
その表情から、彼女が家族に愛されて育ったことがわかる。だがそんなことよりも、恵が家に戻るという話の方が気になっていた。
「そんな話になっていたんですか……具体的には、いつ頃を考えてらっしゃるんですか?」
自分の動揺を相手にさとられないように、努めて冷静に話をした。
「恵の婚約の話が進んでおりますので、それ次第とはなりますが」
驚いて思わず息をのむ。まさか……そんなことが。
俺の表情を勘違いした様子で、相手は話を続けた。
「いまどき……と驚かれたでしょうね? でも恵も承知している話です。小さなころからそれは決まっていたことですし、婚約をするのを条件に外の世界を経験させたのですから、婚約の話がまとまれば戻ってくるのは当然です」
もともと彼女は別の男性との道を歩くはずだったのだ。恵の兄の話から、今もそれは変わらない事実のようだ。