これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
笑いをなんとか収めて総務課の課長の元へと書類を持っていく。

 少し話をして、顔を上げると先ほどの派遣社員の子が総務課の女子社員にコピーの取り方を教えてもらっていた。

 もちろんメモを片手に。

「課長、あちらの派遣社員の方は入って間もないんですか?」

「あぁ、二宮恵(にのみやめぐみ)さんね。二週間前から総務に配属されたんですよ」

総務課の課長も彼女の方を見て話を続けた。

「ちょっと不器用だけど、素直で一生懸命でね。一度教えるときちんと仕事をこなしてくれるから助かってます。なんだか応援したくなるというか、不思議な子ですよ」

不思議な子。納得だ。

「よかったですね、いい人が入ってくれて」

俺は彼女を見ながらそう答えていた。

今も必死でメモを取っているその姿を。

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