これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「なのに、今のお前は何だ! 完全に逃げ腰じゃないか。いつからそんな腑抜けになったんだよ。あの子のこと好きじゃなかったのか?」
「お前に言われたくない! お前だって、兄貴に自分の好きな女、譲ったじゃないか」
口にしてからハッと気づく。
「悪い……」
売り言葉に、買い言葉でつい宗治の過去について触れてしまう。
「別にかまわないさ、事実だし。でも俺はその選択は正解だったと今は思ってる。お前のその選択は間違いじゃないのか? お互い好きなんだろう?」
お互い好き……おそらくそうだ。恵も今はまだ少なからず俺のことを思ってくれているはずだ。そして俺も……。
「この俺に、恋愛で説教されるなんて終わってるぞ、勇矢。その手紙しっかり読んでもう一度よく考えてみろ」
宗治はそう言うと、俺の肩をポンっと叩いて部屋を出ていった。
パタンとドアが閉まると、俺はデスクにもたれて彼女からの手紙を見つめる。
読まないほうがいい。今ある未練がもっと募るだけだ。
そうは思うけれど、彼女が書いた俺の名前を見ているだけで彼女への思いが溢れそうだった。
そして、俺は彼女の最後の言葉になるであろう手紙の誘惑に勝つことができずに、その封筒を開けて、中身を読み始めたのだった。
「お前に言われたくない! お前だって、兄貴に自分の好きな女、譲ったじゃないか」
口にしてからハッと気づく。
「悪い……」
売り言葉に、買い言葉でつい宗治の過去について触れてしまう。
「別にかまわないさ、事実だし。でも俺はその選択は正解だったと今は思ってる。お前のその選択は間違いじゃないのか? お互い好きなんだろう?」
お互い好き……おそらくそうだ。恵も今はまだ少なからず俺のことを思ってくれているはずだ。そして俺も……。
「この俺に、恋愛で説教されるなんて終わってるぞ、勇矢。その手紙しっかり読んでもう一度よく考えてみろ」
宗治はそう言うと、俺の肩をポンっと叩いて部屋を出ていった。
パタンとドアが閉まると、俺はデスクにもたれて彼女からの手紙を見つめる。
読まないほうがいい。今ある未練がもっと募るだけだ。
そうは思うけれど、彼女が書いた俺の名前を見ているだけで彼女への思いが溢れそうだった。
そして、俺は彼女の最後の言葉になるであろう手紙の誘惑に勝つことができずに、その封筒を開けて、中身を読み始めたのだった。