これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「ん、あそこに先客がいるな……こっち見てる……ような気がするけど、知り合いですか?」
そう言われて初めて視線を足もとからあげた。そして視線の先にいる人物を見て驚く。
「な、なんで……勇矢さん」
そこに立っていたのは紛れもなく、勇矢さんだった。じっと私を見つめて視線を一切そらさない。でもその視線は別れる間際に向けられた冷たいものではなく、意思の込められた熱い視線だ。
「勇矢さん? 恵さんあなたのお知り合いですか?」
「あの……はい。以前働いていた職場でお世話になった人です」
「職場? ではどうして彼がここにいるんですか?」
私を問い詰める様に畳みかけてくる。語尾を荒げる様に言われて私はすくんでしまう。
それに私にだって、どうして彼がここにいるのかわからない。今でもなお、幻なんではないのかと思うくらいだ。
私は首を左右に振って否定することしかできなかった。
するとそれまで、立ちどまっていた勇矢さんがまっすぐに私に向かって歩き出した。
そして、正人さんと繋がれている私の手を強引に引きはがして、そしてギュッと握ってくれる。
「な、なんなんだ。一体。失礼じゃないか。恵さんいったいどういうことですか?」
お見合いの席で浮かべていた笑顔など微塵も感じさせないほどの、不機嫌な顔で正人さんが私たちを睨んでいる。
すると勇矢さんは私の前に立ち、私を背中にかばった。
そう言われて初めて視線を足もとからあげた。そして視線の先にいる人物を見て驚く。
「な、なんで……勇矢さん」
そこに立っていたのは紛れもなく、勇矢さんだった。じっと私を見つめて視線を一切そらさない。でもその視線は別れる間際に向けられた冷たいものではなく、意思の込められた熱い視線だ。
「勇矢さん? 恵さんあなたのお知り合いですか?」
「あの……はい。以前働いていた職場でお世話になった人です」
「職場? ではどうして彼がここにいるんですか?」
私を問い詰める様に畳みかけてくる。語尾を荒げる様に言われて私はすくんでしまう。
それに私にだって、どうして彼がここにいるのかわからない。今でもなお、幻なんではないのかと思うくらいだ。
私は首を左右に振って否定することしかできなかった。
するとそれまで、立ちどまっていた勇矢さんがまっすぐに私に向かって歩き出した。
そして、正人さんと繋がれている私の手を強引に引きはがして、そしてギュッと握ってくれる。
「な、なんなんだ。一体。失礼じゃないか。恵さんいったいどういうことですか?」
お見合いの席で浮かべていた笑顔など微塵も感じさせないほどの、不機嫌な顔で正人さんが私たちを睨んでいる。
すると勇矢さんは私の前に立ち、私を背中にかばった。