これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「大事な娘にそこまで言われて、折れない父親がこの世にいるなら見てみたい。君も近いうちに理解する日がくるやもしれんな」
父が優しくほほ笑んだ。そんな柔らかな笑顔を見たのは久しぶりのような気がする。
「ありがとうございます」
勇矢さんが畳にぶつかるのではないかという勢いで頭を下げた。それを見た私も同じようにした。
「では、急なお話ですが私、本日中に戻らなければなりません。それで……」
「私も一緒に行きます!」
「恵っ!そんな急に……」
声を上げた母親同様、勇矢さんもさすがに驚いたようで、私を止めた。
「いくらなんでも、急すぎる。週末には迎えに来るから……」
「いいえ、待てません!私も今日一緒について行きます。好きにしなさいって言ったの、お父さんでしょ?」
きっぱりと言い切ると諦めたように「好きにしなさい」と言われた。
「まぁ、私はお父さんが良いって言うなら構わなんだけど……梅さんがどう言うかしら」
母が思いだしたかのように言う。
「梅さん……ですか?」
初めて聞く名前に勇矢さんが不思議そうな顔をしている。
「あ、そーだ! 最大の難関がまだ残ってるな。まぁいい。勇矢さんあなたもしっかり我が家の洗礼を受けるといいよ」
兄の言葉に心配そうな顔の勇矢さんが私の方を見た。
「大丈夫です。梅さんはいつだって私の味方ですから」
胸をドンと叩いて大丈夫とアピールしたけれど、勇矢さんは「はぁ」と小さなため息をついた。
父が優しくほほ笑んだ。そんな柔らかな笑顔を見たのは久しぶりのような気がする。
「ありがとうございます」
勇矢さんが畳にぶつかるのではないかという勢いで頭を下げた。それを見た私も同じようにした。
「では、急なお話ですが私、本日中に戻らなければなりません。それで……」
「私も一緒に行きます!」
「恵っ!そんな急に……」
声を上げた母親同様、勇矢さんもさすがに驚いたようで、私を止めた。
「いくらなんでも、急すぎる。週末には迎えに来るから……」
「いいえ、待てません!私も今日一緒について行きます。好きにしなさいって言ったの、お父さんでしょ?」
きっぱりと言い切ると諦めたように「好きにしなさい」と言われた。
「まぁ、私はお父さんが良いって言うなら構わなんだけど……梅さんがどう言うかしら」
母が思いだしたかのように言う。
「梅さん……ですか?」
初めて聞く名前に勇矢さんが不思議そうな顔をしている。
「あ、そーだ! 最大の難関がまだ残ってるな。まぁいい。勇矢さんあなたもしっかり我が家の洗礼を受けるといいよ」
兄の言葉に心配そうな顔の勇矢さんが私の方を見た。
「大丈夫です。梅さんはいつだって私の味方ですから」
胸をドンと叩いて大丈夫とアピールしたけれど、勇矢さんは「はぁ」と小さなため息をついた。