これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
③不思議な彼女
社員通用口から出て、駅へと向かう。
会社からほど近いマンションを借りていることから駅をつかうことはほとんどない。
しかもこの時間に退社したのは、一昨年風邪を引いた時ぐらいだ。
電車で通勤する社員はほとんどがこの駅をつかう。
冷静になって考えたが、これは完全な待ち伏せだ。
俺が声をかけたら彼女はどう思うだろうか?
俺らしくもない衝動的な行動に、自分自身が戸惑う。
けれどそれも駅に向かって歩いてくる彼女を見たときに、そんな考えはどこかに行ってしまった。
「二宮さん」
通り過ぎようとする彼女に声をかけたが、気が付かずに通り過ぎてしまう。
少し離れてはいたが十分聞こえるはずだ。
俺はもう一度彼女の名前を呼んだ。
「二宮さん?」
すると次は気が付いたのか、立ち止まって振り向いた。
「え? 私?」
不思議そうに振り向く彼女は、俺の顔をみて大きな目をさらに大きく見開いた。
「そう。あなたのことですよ、二宮さん」
その様子がおかしくて思わず口元が緩んでしまう。
そんな俺の様子をみて、彼女は恥ずかしそうに頬を染めた。
会社からほど近いマンションを借りていることから駅をつかうことはほとんどない。
しかもこの時間に退社したのは、一昨年風邪を引いた時ぐらいだ。
電車で通勤する社員はほとんどがこの駅をつかう。
冷静になって考えたが、これは完全な待ち伏せだ。
俺が声をかけたら彼女はどう思うだろうか?
俺らしくもない衝動的な行動に、自分自身が戸惑う。
けれどそれも駅に向かって歩いてくる彼女を見たときに、そんな考えはどこかに行ってしまった。
「二宮さん」
通り過ぎようとする彼女に声をかけたが、気が付かずに通り過ぎてしまう。
少し離れてはいたが十分聞こえるはずだ。
俺はもう一度彼女の名前を呼んだ。
「二宮さん?」
すると次は気が付いたのか、立ち止まって振り向いた。
「え? 私?」
不思議そうに振り向く彼女は、俺の顔をみて大きな目をさらに大きく見開いた。
「そう。あなたのことですよ、二宮さん」
その様子がおかしくて思わず口元が緩んでしまう。
そんな俺の様子をみて、彼女は恥ずかしそうに頬を染めた。