これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「スマホは使えるんですね?」

なんとなくそう尋ねると、嬉しそうに答えた。

「総務課の人が同じ機種を使っていて、丁寧に教えてくれたんですよ」


俺の手の中のスマホが震えはじめた。

「今電話してるの、私です。それが私の番号です」

震えのとまったスマホで、彼女の電話番号を登録した。

メールアドレスも登録して、彼女に自宅マンションン住所を送信した。

「ここから近いです……よね?」

 画面には俺が送った地図が表示されている。

彼女はスマホの画面をくるくる回しながら、俺のマンションの位置を確認していた。

きっと東西南北の感覚がわからないんだろう。

きっと明日は駅まで迎えに行くことになりそうだ。

いつもなら面倒だと感じるようなことも、不思議と苦にならないと感じている自分がいた。

「そろそろ、行きましょう」

「あ、もうそんな時間なんですね」

俺の声に、時計を覗き込んで驚いた顔をしている。

時計はあっという間に二一時をさしていた。

食べたあとのごみを片付けると、ふたり並んでハンバーガーショップを出た。
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