これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
梅雨の時季のなま温かい風がもわっとふたりを包んだ。
「今日は雨が降りませんでしたね」
彼女が空を見上げながらそう言った。
真っ暗で星さえも見えない空をみあげてから俺に笑顔を向けた。
「明日も降らないといいですね」
「あ、そうですね」
急にむけられた無邪気な笑顔が、この夜には似つかわしくないように感じて目を細める。
「大丈夫です!私晴れ女ですから。じゃあ、失礼します」
駅の改札に向かって、彼女が小走りで走り始めた。
途中ビタッっととまると、俺の方を向いて顔の横で小さく手を振った。
周りにたくさんの人がいたが、その場で動いているのが彼女だけに見えた。
俺はつられるように、顔のあたりに手を上げて手を振ると、彼女は満足そうに微笑んでから改札の中へと入っていった。
彼女を見送った後、少し先にあるコーヒーショップへと寄った。
そこで、最近気に入っているのコーヒー豆買う。清算のときにふとレジ横に置いてあるクッキーに手を伸ばして一緒に買ってしまった。
彼女との明日の約束をどこか楽しみにしている自分がいた。
ただ猫を見に来るだけだ。自分にそう言ってみる。
けれど部屋へ戻る俺の足取りがいつもよりもどこか浮ついているのを、自分自身が一番よく分かっていた。
「今日は雨が降りませんでしたね」
彼女が空を見上げながらそう言った。
真っ暗で星さえも見えない空をみあげてから俺に笑顔を向けた。
「明日も降らないといいですね」
「あ、そうですね」
急にむけられた無邪気な笑顔が、この夜には似つかわしくないように感じて目を細める。
「大丈夫です!私晴れ女ですから。じゃあ、失礼します」
駅の改札に向かって、彼女が小走りで走り始めた。
途中ビタッっととまると、俺の方を向いて顔の横で小さく手を振った。
周りにたくさんの人がいたが、その場で動いているのが彼女だけに見えた。
俺はつられるように、顔のあたりに手を上げて手を振ると、彼女は満足そうに微笑んでから改札の中へと入っていった。
彼女を見送った後、少し先にあるコーヒーショップへと寄った。
そこで、最近気に入っているのコーヒー豆買う。清算のときにふとレジ横に置いてあるクッキーに手を伸ばして一緒に買ってしまった。
彼女との明日の約束をどこか楽しみにしている自分がいた。
ただ猫を見に来るだけだ。自分にそう言ってみる。
けれど部屋へ戻る俺の足取りがいつもよりもどこか浮ついているのを、自分自身が一番よく分かっていた。