これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「すみません。ご面倒おかけして」

なかば強引に「猫が見たい」といって今日の約束をしたのは自分で、それだけでも十分迷惑をかけているのにも関わらず、初めからこんな失敗をするなんて。

申し訳なく思い、肩を落とす。しかしそんな私をみた彼はますます笑い出した。

「別に迷惑だとは思っていませんよ。むしろ楽しませてもらってますよ」

楽しい? どうしてこの状況が楽しいにつながるのか私には理解できなかったがそれでも彼が楽しいといってくれているのならばそれでいいような気もする。

「さぁ、こんなところで立ち止まってないで、部屋へ行きましょう。猫が待ちくたびれてますよ」

猫! そうだ早くあの猫に会いたい。

「はい。早く会いたいです」

私の返事を聞いた高浜さんは「ではまいりましょう」と言って、歩き始めたので私は彼の背中を小走りで追いかけたのだった。
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