これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「あなた本当に何でも顔にでてしまうんですね」
ボソボソと呟かれて聞き取れなかった。
「え? なんて言ったんですか?」
「何でもありませんよ。失礼なことを言った代わりにランチをご馳走させてください」
眼鏡の奥の目が優しくほほ笑んでいる。
私は「はい」と、また後先考えずに返事をしてしまっていた。
だって……断る理由がないんだもの。
はっきり言ってしまえば彼に興味がある。
丁寧な言葉遣いと見かけから、どこか真面目でとっつきにくそうなのに、その中身は世話焼きで良く笑う。
他にはどんな顔をするんだろう? コーヒーを淹れるのが上手だからきっと紅茶よりもコーヒー派なんだろうな。
好きな食べ物はなんだろう?
どうしてこんなに気になってしまうのだろうか? でも知りたい。もっと知りたい。
私とクロをあの時救ってくれた彼との再会を、この時の私は“運命”と言う言葉で飾り立てようとしていた。
そうしてはいけないことを、自分が一番理解していたはずなのに。
ボソボソと呟かれて聞き取れなかった。
「え? なんて言ったんですか?」
「何でもありませんよ。失礼なことを言った代わりにランチをご馳走させてください」
眼鏡の奥の目が優しくほほ笑んでいる。
私は「はい」と、また後先考えずに返事をしてしまっていた。
だって……断る理由がないんだもの。
はっきり言ってしまえば彼に興味がある。
丁寧な言葉遣いと見かけから、どこか真面目でとっつきにくそうなのに、その中身は世話焼きで良く笑う。
他にはどんな顔をするんだろう? コーヒーを淹れるのが上手だからきっと紅茶よりもコーヒー派なんだろうな。
好きな食べ物はなんだろう?
どうしてこんなに気になってしまうのだろうか? でも知りたい。もっと知りたい。
私とクロをあの時救ってくれた彼との再会を、この時の私は“運命”と言う言葉で飾り立てようとしていた。
そうしてはいけないことを、自分が一番理解していたはずなのに。