これが恋というものかしら？~眼鏡課長と甘い恋～【完】

「はい、えーっとすみません。私不器用で」

気まずそうにおにぎりを受け取る。

「さっき缶詰の開け方もご存じないようでしたが？　アレなんか缶にやり方かいてありますし」

「そうなんですね。私今日はいい勉強になりました」

“勉強”というがそんなことはみんなが知っていて当たり前のことだ。

ここまで世間知らずなのか、それとも天然なのか？いずれにしても珍しい。

「おにぎり美味しいです」

よほどお腹がすいていたのか真剣な顔でおにぎりをほおばっている。

小さな口は程よいピンク色で、色白の肌が今時珍しい黒髪に良く似合っている。

血色のよい頬に大きな黒目がちの瞳が彼女の柔らかい中にある凜とした雰囲気にを醸し出していた。