これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「……高浜さん? 高浜さんー!!」 

 大きな声で呼びかけ駆け出した私に、気が付いた高浜さんが小さく手を挙げた。

「ゆっくりいらしてください。転びそうで怖いです」

 離れたところから、少し大きな声で話しかけられた。

 子供みたいな扱いをされて、少し悔しい。

 でも、そんな私を心配してか、彼のほうが私に近づいてきてくれた。

「お待たせしてすみません」

「いいえ、勝手に早く来たのは私ですから、お気になさらずに」

 夕暮れ時の柔らかい雰囲気の中でみる彼がどこか現実離れしていてトクンと胸が音をたてた。

「早速ですが、タクシーを拾いましょう。予約の時間に遅れてしまします」

「予約ですか……?」

「はい。行きますよ」

 先に歩きだした、高浜さんの後ろを小走りで追いかけた。
 
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