これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「お前もたまには早く帰ったら?」
鶴の一声よろしく、宗治の一言で俺はいつもよりも早い時間に退社した。
きっとどこかの誰かと約束があるんだろう。明日もアイツの尻拭いなんて御免だぞ。
そう考えるとせっかく早く会社を出たのに、まったく喜びを感じない。
まぁ仕方ない。そういうことも俺の仕事の一環だ。
あのとき、司法試験に合格したばかりの俺に声をかけてくれた宗治には感謝だ。
自分の信じていたものが、手のひらからこぼれ落ちたとき何も考えずに仕事に没頭できる環境を作ってくれたことはなによりもありがたかった。
信号を渡るともうすぐ昼間の公園だ。
歩行者用の信号の色が青になって渡りはじめる。
すると、昼間の女性が早足で後ろを気にしながら歩いている。
近づくと声が聞こえた。
「だから、ダメなんだって。お前を連れては帰れないのよ」
彼女の視線の先を見ると、昼間のクロネコが鳴きながらトコトコとついて来ている。
彼女はギュと目を瞑ると、前を確認せずに走り出した。まっすぐ俺に向かって……。
鶴の一声よろしく、宗治の一言で俺はいつもよりも早い時間に退社した。
きっとどこかの誰かと約束があるんだろう。明日もアイツの尻拭いなんて御免だぞ。
そう考えるとせっかく早く会社を出たのに、まったく喜びを感じない。
まぁ仕方ない。そういうことも俺の仕事の一環だ。
あのとき、司法試験に合格したばかりの俺に声をかけてくれた宗治には感謝だ。
自分の信じていたものが、手のひらからこぼれ落ちたとき何も考えずに仕事に没頭できる環境を作ってくれたことはなによりもありがたかった。
信号を渡るともうすぐ昼間の公園だ。
歩行者用の信号の色が青になって渡りはじめる。
すると、昼間の女性が早足で後ろを気にしながら歩いている。
近づくと声が聞こえた。
「だから、ダメなんだって。お前を連れては帰れないのよ」
彼女の視線の先を見ると、昼間のクロネコが鳴きながらトコトコとついて来ている。
彼女はギュと目を瞑ると、前を確認せずに走り出した。まっすぐ俺に向かって……。