只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
美桜の恋心
あの告白からまるまる一週間が経った。
最初はよそよそしかった大和も、段々前と同じように喋ってくるようになって…
私も私で変わりなく接するようにしていた。
今日は体育の体力測定があって、久しぶりの男女合同。
運動出来ない私には体育は苦痛でしかないけれど…今日は特別!
だって…隆兄の授業を受けられるんだもん!
私の視線の先には体育教師の坂口隆正(サカグチ タカマサ)、通称隆兄が。
あっ、通称は私だけなんだけどね?
「仲野…去年よりもタイム縮んでるぞ!流石だなぁ」
「ホントに?私ってばやれば出来ちゃう子だから~」
良いなぁ…花音。隆兄に誉められて…
私も運動が得意だったらなぁ。
ハァッと自分のタイムを見てため息が出る。
…こんなんじゃ褒められるはずがないや。
直人と噂を立てられたくない訳は周りの女子が怖いから…
もちろんそれも理由のひとつ。
でも一番の要因は…
隆兄に誤解されたくないから。