只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
しかーし!
己を分かっている私にとっては、そんな心配はご無用!
出来るわきゃないのは百も承知です。
「とにかく、今日は拝見させてもらった訳だし…これ。受け取ってよ!」
そう言って松田くんはテーブルに置いていた紅茶を私に手渡した。
それには『アプリコットティー 』と書かれている。
「ありがとう」
「いえいえ。お口に合いますかどうか…」
アプリコットって確か…あんず、だよね?
その果物自体もあんまり知らないかも…
ごくりーー
はじめて試すその味を確かめるように、ゆっくりと紅茶を口に流し込んだ。
とたんに、まるで主張するかのように甘酸っぱいあんずの味わいが広がっていく。
想像していたよりも、甘みが強くてスゴく美味。
そのあとに紅茶本来の味が存在感を出してくる。
しかも渋みが少なくてすっきりとした後味になっていて…
「んー、これ好きかも。おいしいし、苦くないし!」