只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「またね、か…」
誰もいなくなった室内でぽつりと呟く。
聞こえるものといえば、自販機の機械音くらい。
きっと私と松田くんが会うことはもうないのだろう…
今日こういう風にビルの中をウロウロできたのも、お母さんがくれた関係者証のおかげだし。
つまりは私みたいな一般人が入れる所じゃない訳で。
それに…
「ん?」
ふとスマホを見ると、小さいライトがピカピカと点滅している。
画面を開くとお母さんからメッセージが届いていた。
『あともう少しで着くから下にいて?』
私はそれを流し見ると、残りわずかとなったアプリコットティーを飲み干しゴミ箱へ。
そして急ぎ足でエントランスに向かった。
耳に残る違和感と胸のひっかかりを感じながら…