只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



…ハッ!なんだ今のは。


なしなし!今のなし!



あーもう、変な想像をしてしまったよ。


これもきっと夏の暑さのせいだな、うんうん!



私は過った思考を打ち消すようにブンブンと頭を振った。





指定の席に戻ると、置いてあったプログラムを早速確認。


椅子のある場所には日差し避けのネットが張られている。


日は強いけど風はいくらか涼しいのでそこは助かるところ。



最初は~…100メートル走だよね!


花音と直人が出るから初めの種目だけは覚えてるんだぁ。


まずは女子で次が男子の順番!



何組かが走り終えるのを見届けて、花音の番がやって来た。



「よーい…」



掛け声に合わせて出走する四人が姿勢を整える。


パァン!という音とともにクラスの前を駆け抜けていった。


あまり変わらない距離の三人に対して、花音だけが前へ前へと進んでいく…


< 155 / 896 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop