只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
…ハッ!なんだ今のは。
なしなし!今のなし!
あーもう、変な想像をしてしまったよ。
これもきっと夏の暑さのせいだな、うんうん!
私は過った思考を打ち消すようにブンブンと頭を振った。
指定の席に戻ると、置いてあったプログラムを早速確認。
椅子のある場所には日差し避けのネットが張られている。
日は強いけど風はいくらか涼しいのでそこは助かるところ。
最初は~…100メートル走だよね!
花音と直人が出るから初めの種目だけは覚えてるんだぁ。
まずは女子で次が男子の順番!
何組かが走り終えるのを見届けて、花音の番がやって来た。
「よーい…」
掛け声に合わせて出走する四人が姿勢を整える。
パァン!という音とともにクラスの前を駆け抜けていった。
あまり変わらない距離の三人に対して、花音だけが前へ前へと進んでいく…