只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



でもね、花音と私とは月とすっぽん…天と地ほどの差があるんだ。


だから端からお話にならないってもんよ!


うん、そうだ。そうなんだよ!


……ハァ。



自らの言葉にひとり落ち込んでいると、いつの間にか男子の部がはじまっていた。


どうやら次は直人が走るらしい。



本日何度めかの空砲の音が鳴り、直人のグループが走りはじめた。


さすが完璧超人というべきか。


直人は平然とした顔で他の男子との間を開けていく…



「藤堂くんカッコいい~!あれで頭もいいなんて…」


「うんうん。彼女いないのが不思議だよねぇ」


「あたし立候補したいよ~」



直人の走りを見て、今度は女子がざわついている。


どうしてか花音が大和を好きだってことは周りに知れ渡っているのに、直人が花音を好きなのを、みんなは知らない。


あんだけあからさまなのに…


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