只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
噂のことを気にしつつも、花音が言うように聞いてみる…なんてことが出来ずに時間だけが流れていく。
「あっ、ちょっと忘れ物しちゃった。先に行っといて!」
移動教室へと向かう途中。
焦った私は、三人の返事を待たずに教室へと走っていった。
机の中の忘れ物を取ると、来た道を小走りで戻る。
そこへ…
「おーい、廊下は走んなよー…って眞中か」
「隆兄…」
会いたいけれど会いたくなかった人が立っていた。
「『坂口先生』だろ?お前は何回言っても直んないねぇ」
「うっ!スミマセン…」
話をしている最中も、私の頭の中は噂のことで一杯で…
胸がどうしようもない程にざわつく。
「もうチャイムなるぞ?早く行かないと」
「わ、分かってるよ!じゃあ」
隆兄に急かされるように、今度は早歩きでパソコンルームへ向かおうとする。
だけどやっぱり気になって…