只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
向かった方角の先にもまたキスを交わすカップルが。
他の人達には目を逸らしまくっていた私だったけど、今度はその様子に釘付けになってしまった。
だって、だって…、そこにいた人は…
「隆、にぃ…」
漏れでた小さな小さな声。
自分でもその声が震えているのがはっきりと分かった。
慌ててそこから離れた私。
見間違え?
そんなはずがない。
いつもみたいなジャージじゃなくても、ずっと見てきた背中を間違えたりしない。
やっぱり…噂は本当だったんだ…
隆兄の隣にいたのはなるちゃんだった。
膝丈のワンピースを着てハーフアップにした髪…
普段よりも数段綺麗ななるちゃん。
なるちゃん相手じゃ…勝てっこないじん。
そもそも勝負にならない、か…
…とにかく、皆のいる所へ行こう。
まだ震えが残るものの、私はそれを取り払おとゆっくりと歩き出した。