只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「なら……考えろよ。今ここで」
「は~?何冗談言って……っ」
そこから先は声が出なかった。
いや、出せなかった。
だって……直人が余りにも近くにいたから…
一瞬にして、思考も動きもフリーズしてしまった。
そんな私をよそに、直人はさらに距離を詰めてくる。
「ほら、ちゃんと聞いてんの?」
私の耳元へと直人が囁いてきて…
「……美桜」
いつもとは違う。
甘さを含んだその声に……翻弄されそうになる。
「やっ……なお………離、れて…」
心臓の速さが尋常じゃない。
前にも直人が顔を寄せてきたことがあったけど…
その時とは、全然比べ物になんない。
鼓動の音が…うるさい位に頭に響く…