只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「なんで?」
密着していた体を直人が少しずらして、顔を合わせる。
漆黒の瞳が、私を捉える…
その奥には真っ赤としか言いようがない私の顔。
「だって……こんなの、おかしいよ…」
目を合わせていらんなくて、俯き気味にそう答えた。
気付かれたくない、ドキドキしてること。
自覚したくない、いま抱いてるこの想いを…
そんな私の気持ちなどお構い無しに直人は耳を指で触れてくる。
撫でるように……ゆっくりと…
その仕草に、体はビクリと反応してしまう。
「耳……感じんの?」
掛かる吐息がやけに熱っぽい。
それがまた、私の心を掻き乱して……
「ぁ、もう……やめっ…」
頭がくらくらする…
体の力が、抜けてしまいそう……