只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



出欠確認も終わり授業が始まる。



初めは私も黒板や先生の話しに集中していたんだけど…


やっぱり一人で勉強してる時とは違って、その集中力が薄れてしまう。



なるちゃんと隆兄のキスシーンが浮かんできては消して、浮かんで消して…


うーん…忘れたいと思っても忘れられるものじゃないよね?


苦しくなってきて額を手首で押さえていると、不意に肩を叩かれる。


私の隣…といえば窓と直人しか居ない。
そっと直人の方を向けば、ばっちりと目が合った。



「どうしたの?」


「それはこっちの台詞。辛いなら保健室行って休めよ」



『保健室』


その単語を聞いただけで心臓がバクバクとうるさい。


保健室なんて行ったら…余計に悪化する!



「大丈夫」


ブンブンと首を振ると、自分にも言い聞かせるつもりで直人にそう答えた。

大丈夫、大丈夫と…


< 28 / 896 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop