只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「誰と誰が?」
「だから…なるちゃんと、隆兄」
「いつ!?」
「昨日…水族館で」
花音は信じられないといった感じであんぐりと口を開ける。
「そう、だったんだね…」
「うん…」
叫んだ勢いで立ち上がっていた腰をベンチに下ろすと、一気に花音のテンションが落ちたのが分かった。
「苦しかった…よね?」
そしてぎゅっと私の手を握ると、花音の目からポロポロと涙が流れる。
私の為に…泣いてくれてるんだ。
「花音…ありがとう」
「別にお礼なんか…ってか美桜も悲しいなら泣きなよ、バカ!」
涙を自分の袖で拭いながら一喝してくる花音。
うーん、もちろん悲しいって思ってるよ?
思ってるのに…泣けない私。