只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「あー、めんどくせぇ…」
賑わう教室の中でぼそりと呟く。
この日はうちのクラスがやる出し物の衣装合わせをしていた。
『他のクラスと被らない催しを!』
そんな希望で和装喫茶なるものをする事に…
しかも俺たち四人全員は、強制的に接客をするという方向になるし。
午前はクラス、午後は劇。
どうやら俺らは休む時間を与えてくれないらしい…
「うわっ、歩きづら!」
衣装を着た大和がそう言いながらこっちに向かってくる。
普通のより軽くしているとはいえ、和服はやっぱり重い…
袴も中々の歩き難さでこんなので動き回れるのかって感じだ。
「似合ってんじゃん」
「そりゃどーも…」
まじまじと俺を見て言われたお世辞。
そうは言っても大和の方がお似合いだろう。
和服に大和の茶髪が、程よい位に映えている。