只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



「ねぇ、あれって…」


「おい。ちょっとこっち来いって!」



そんな思いに駆られていると、何だか廊下が騒がしくなった。



「ん~?一体何だろう?」



気になった様子の花音は、一目散にワイワイと盛り上がる廊下へと進んでいく。


あんな歩きにくい服でよくもまぁパッパッと動けるものだ…



「何騒いでんだろーな?」


「さぁ…」



気にならないと言ったら嘘になるだろうが、この袴で動く気になれず大和と座りつつ廊下を見やる。



「ぅわぁーーおぉ!!」



その瞬間。


聞き覚えのある声がうちの教室にまで響いてきた。


そしてバタバタと続く足音。



「これは皆にお見せしなくちゃいけないでしょー!」


「いや、無理だって!こんなの晒し者になるだけだってば!!」


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