只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



ガランとした、机も2つしか置かれていない教室。


立ちっぱで窓の景色を見る美桜の隣へと、俺は歩いていった。


今日の夕日は赤くていつもより大きい気がする。



「お前の嘘なんてこっちはお見通しなんだよ。ナメんな」



そう言うと美桜は、バツの悪そうな顔を浮かべた。



「あうっ……私、そんなに分かりやすかった?」


「いや、他の奴は気付いてないんじゃない?でも…」


「でも?」



不思議そうに俺を見る美桜。


その仕草に、胸がドキリと反応する…



「美桜って…嘘つくときに手を後ろに持っていく癖があるんだよ」


「へっ?………ぇええええーー!?マジ、マジですか?」


「マジマジ」



俺も初めは気付いちゃいなかった。


でも美桜は基本的に嘘はつかない奴だから…


だからこそ、滅多にしないその癖がどうにも気になった。


それが知る事になったきっかけ……


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