只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「この鈍感女っ!」
照れ隠しとかじゃなく本気でそう思ってるんだろうな…余計にタチ悪いわ!
髪の色が落ち着いてるから?
そんなもん黒い奴なんて何人もいるだろうがっ。
「なっ…!ど、…鈍感じゃないし!」
「…へぇ?」
何処からそんな自信が沸いてくるんだか…
今までその鈍感さに、どんだけ苦労掛けさせられたことか。
「ナンパされてるのにも気付かずに、連れていかれそうになってたのは……何処の誰だっけ?」
「うっ…」
「気のある素振りしてる奴がいるってのに全く知らないだろ?」
「そんなの…いない、し…」
「いや、いるね」
問い詰めながらどんどんと間合いも詰めていく。
元々距離という程の距離はなく…
旗から見れば俺が美桜に迫ってるように見えなくもない。