只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「じゃあ…美桜がこの町に来てから、何人に告白された?」
「いきなり、何を…」
「何人?」
俺と一時視線を交わらせると、美桜は口に手を当てて真剣に考え出した。
次第に眉が下がり、明らかに困った顔をしている…
「わかん、ない……」
「ほら…居るんじゃん?少なくとも…数えきれない位、は」
「そっ、んなことは………?」
『ない』とは言い切らないみたいだな…
美桜のド鈍感もそろそろ卒業してもらいたいんだが。
今のが、少しの足枷になったらいいけど…
ちょっとは危機感ってのを持ってもらいたい。
全く、厄介な奴を好きになったよな……
厄介さでいったら花音を上回るな、これは。
「な…直人?」
「あ?」
「あの…その……もう少し、後ろに下がってくれませんか?」