只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
何それ、初耳なんですけど!?
「全然、知らなかった…」
「まぁ癖なんて得てしてそんなモンだろ」
直人はそう言ってたけど、私にとってはそれだけじゃ済ませられない!
今までついてきた細々した嘘がバレていたなんて…
周りが思うよりも受けているダメージは相当なもんだ。
ぐるぐると一人で考え込んでいたら…私と直人の間には静寂が訪れていた。
その空気に、そわそわしてしまう…
全く落ち着いちゃいられない。
ほんの少し目が合っただけで鼓動が異常に速まっていって……
な、何か話!話をせねばっ!!
「花音!…の和服姿…可愛かったね?」
直人と話すことって言ったら花音のことばっか。
今も自分でもびっくりする位にすんなりと、花音の話題が口から出た。
「あ?…あー、まぁな」
ズキンッーー
直人の返事なんて分かってたのに、私の胸はそれを聞いた瞬間に痛みを持った。